今回は西表島からカヤックで鳩間島、バラス島に漕ぎに行った時の記録を残したものです。その時思ったことや感想なども書いています。
果たして自分が今どれくらい漕げるのだろう?
ツアーでゲストを連れて漕ぐ時はどこまで行くことができるのか?
どこまでをツアーにするのか?
その線引きを見出すためにも大切なカヤックトレーニングです。

その答えはいかに。

船浦港から鳩間島へ

さぁ出発は西表島の西部にある船浦港から午前10時に出発です。

・出発 10時〜帰り15時予定
・北東の風4メートル
・波1メートル
・満潮 9:59 (177) 21:50 (170)
・干潮 3:29(39) 15:49(69)

鳩間島までの距離はおよそ7キロ弱
バラス島までは3キロほどです。

行きは潮位が高くでバラス島が出ていないので
ノンストップ鳩間島まで目指します。

港はダイビング船や、シュノーケル船などが往来するので注意をしながら漕ぎ出していきます。

まずは手前にある鳩パナリ島を目指します。
今回はカヤックはウォーターフィールドのシメスタを使用。
出だしは快調でグングンスピードが出ます。

気持ちはまるでライラックにスーパーホワイトアロー(北海道のローカル電車)
どこまでもスピードに乗って行ける気がしました。

15分ほど漕いでいると鳩パナリ(離れ島)に到着。


最初の勢いはどこに行ったのやら、思った以上にしんどくなってきて、あっもうここがゴールでも良いかなぁと
思ってしまいそうな自分がいます。

自由気ままに判断できてしまうのがソロの良いところ。その分危険な選択をしてしまうこともありますが‥。

普段のツアーではいかに漕いでいないか身にしみてわかります。

少し言い訳をすると、僕はツアーで漕ぐ時はゲストにできる限り憑依して(あぁこれぐらい漕ぐと辛いだろうな
とかまだまだ漕ぎたそうだなぁ)などその人の体力や年齢、話や表情などを見て見極めるようにしています。

結構疲れたけどまだ行けたなぁ、もう少し漕ぎたかったそう思うくらいで調整するのがほとんどです。

カヤックが嫌になるまで追い込んで漕がせることはほとんどありません。

そんなことをしているとガイドももちろん限界近くまで漕ぐことは滅多にないので

果たして自分がどれくらい漕げるのかわからなくなってきます。

ただ僕の普段のゲストやツアーではここで引き返すくらいが丁度良いなぁと思いました。

ゴリゴリに漕ぎたい人は別ですが…。

鳩パナリを超えいよいよ鳩間島へ漕ぎ出していきます。
やはり途中にあるバラス島は見えず、行きはよらずに通り過ぎていきます。

今回のバックアップはこんな感じです。

・何もない所での10割成功率のロール
・リエントリーロール(練習済)
・パドルフロート(パドルフロートを使った再乗艇)
・離脱した状態からの再乗艇
・最悪海上保安庁に連絡できるように携帯の所持
・嫁に目的地、帰りの時間の報告(15時)

日々セルフレスキューは練習していますが、日にちが開くとやはり不安です。
バラス島を超え鳩間水道に入ると少し流れを感じる場面もあり、北東の風の
影響でウネリも少しだけ出てきました。

島渡りはかなりメンタルも影響するスポーツだと思います。
(万が一ひっくりがえった場合はいつも通りロールはできるだろうか?、再乗艇はできるかな‥)
絶対にチン(ひっくりかえる)はしたくない場面。

ビビりな僕は不安にかられます。
まだまだ外洋やウネリの中で漕ぐことに慣れていないなぁということを
実感しました。

それでも漕ぐては手は止めてはダメ。気を強く持ちながら漕ぎ続けました。

ガイドが不安を抱えていてはゲストを連れて島渡りは出来ません。

さらに鳩間島周辺が厄介なのがダイビング船やシュノーケル船の往来が多く、時に定期船などの
大型船の航路もあるので注意が必要です。

常に船に対してTの下側にいれば良いのですがTの上側に自分がいるときは焦ります。

船の動きも冷静に判断をして引き波などの危険を避けなければならないなぁと実感しました。

なんとか鳩間水道を抜け鳩間島が近づいてきました。この辺シュノーケルポイントが沢山あり、
綺麗なテーブルサンゴや、枝珊瑚が見られるスポットなどがあるのですが、潮が高く
見つけることが難しかったです。

しかしどこを見ても綺麗すぎました。



最後のポールにはカツオドリも。
こういうのは嬉しくなりますね。

かなり島が近くなってきましたが着きそうでなかなか着きません。
島の周りもかなり綺麗です。


11時半ごろ何度か無事鳩間島に到着です。
港の近くの浜にカヤックを置きました。

時間は1時間半くらいです。
着いた頃にはすでに肩が痛くなっていました。

少し鳩間島を散策。
飲食店はやっていなかったので持ってきたカップラーメンを食べました。

洞窟がありそうな場所も少し散策。井戸の跡がいくつかあり洞窟がありそうな場所も目星がつきましたが
御嶽もあちこちにあったので不用意に立ち入るのはやめました。

港も綺麗です。
お昼を食べて13時に再び西表島に向けて帰ります。

鳩間島周辺は終始晴れ。
西表島には分厚い雲がかかっていました。


とろけるような透明度。

これが噂の鳩間ブルーですね。

ため息が出る美しさ。
釣り船も来ていました。

帰りはだいぶ慣れてきて落ち着いてカヤックを漕ぐことができました。


バラス島が見えてきました。
大きなシュノーケル船もきています。


潮が引いて丁度バラス島が姿を表しました。
この日はあまり時間がなかったのでシュノーケルはせず少し泳いでクールダウンしました。


絶景。僕が西表島に来た時はもっとバラス島は大きかったのですが、台風などの影響で小さくなってしまいました。
やはり自然は常に変化していくもの。
それに合わせてガイドも柔軟に変化し続けないと行けないなぁと感じました。

終わりに

鳩間島までは往復14キロほど。丁度良いトレーニングなりました。
ゲストを連れてとなると先は遠そうですが。ガイドとして良い経験値アップにもなり、
また漕ぎに行きたい場所の一つです。
体力的にはまだまだ焦げそうでした。
ツアーのない日や空いた時間を使ってフィールド調査を行いガイドとしてのキャパをどんどん広げて行きたいと思います。
とことんコアなツアーができるガイドを目指して。

それではまた次回をお楽しみに。