今回は西表島でキャニオニングツアーを行う大見謝川のセーフティーリサーチ、安全確認をして来たのでその記録を残したいと思います。 2021 6/24

大見謝川のセーフティーリサーチの目的

大見謝川は川幅が狭く突然の大雨などで一気に増水したり鉄砲水なども考えられる小さな渓谷で大きな事故に繋がる可能性が十分に考えれるポイントなので、事故や怪我を未然に防ぐため情報を共有すべくセーフティーリサーに行ってきました。

セーフティーリサーチの目的としてはまず天気予報を見ながらおおよその雨量を把握し、川の増水量を予測できるようにするため、実際に行ってみてどれくらい増水しているか、自分の予測と合っていたかなどを確かめます。

増水の度合いによって安全にキャニオニングツアーを遂行できるかどうかの基準を作るため、川の水位の上昇を測るための基準となる目印を作ります。

増水した量によってツアーにどれほどの影響を及ぼすか確認し、安全にツアーを遂行することができる限界の水量の基準を作ります。

危険箇所を再確認し、普段問題ない場所でも増水によって危険箇所になり得るポイントはないか全て洗い出します。

増水によって障害物になる流木(ストレーナー)や岩が川底に増えていないか、水だけを通し人が通れない穴(シーブ)が出来てないかなどを確認します。

キャニオニングは渓谷を下って降りるスポーツです。

西表島のキャニオニングについては下記の記事をお読みください。

西表島のキャニオニングツアーについてはこちら。

調査報告

大見謝川のキャニオニングツアーのスターと地点の写真です。

普段よりも水量が多いです。赤いマルの岩が水量を測る目印として分かり易かったのこの岩を目印にすることにしました。

この岩の上に水がかかるほど増水している場合はツアーは中止になりそうです。

飛び込みポイントは実際に潜って流木や岩などがないか確認します。
水深5メートル近くある場所もあります。

滑り台(ウォータースライダー)ポイントはかなり流れが強くなっています。

※バックアップ(レスキュー係)を二人いる状態で入水しています。

実際に滑ってみましたが、これだけ増水していて流れが強いと、ツアーで滑るのは危険と判断しました。滑る勢いが強すぎて岩に足がぶつかる可能性があります。

スライダーの次の飛び込みポイントにシーブ(穴)を確認。流れが強い場合は足がはまって抜け出せなくなる可能性があります。

色んな可能性を検証。流れが強いときはここも足が引っかかります。

増水により流れが強いためエディー(障害物ぶつかって流れが止まっているまたは逆流している場所)を発見しました。

一番メインの飛び込みポイント。実際に潜って障害物を確認。川底に立木があったので撤去しました。

実際に飛び込んでみます。

小さな滝になっている岩を登るポイントは流れが強すぎて、登るのはかなり困難でした。ガイドがなんとか登れるレベルで慣れてないと足を取られます。

滝は素晴らしい水量でした。

この日は雨予報から晴れに変わり、増水もかなり収まっていました。
まさにホワイトウォータといった感じで、危険箇所さえ把握して気をつければ最高のコンディションだと思います。

この状態から天気が悪化し強い雨が30分以上続くようであればかなり危険な状態になるかと思います。そのような場合はすぐにツアーを中止にするか、エスケープルートで避難する必要がありそうです。

最後に

今回はパイヌマヤレジャースタッフの二人がセーフティーリサーチに参加してくれました。やはり人数が多いと色々試すことができるしバックアップもできるのでより安全に調査をすることができるなぁと感じました。

一度行っただけでは基準を作るのは難しく、地形は常に変化するので、何度も足を運んでデータを蓄積していかないといけないと感じました。

全ては安心、安全なツアーのためこれかもこのような活動を続けて参ります。

それではまた次回をお楽しみに。

キャニオニングツアーはこちら。