皆さんこんにちは。今回はよく質問される、カヤックとカヌーの違いについて説明したいと思います。またカヤックにも種類があるので各メリットやデメリットについても書きたいと思います。

カヤックの購入を考えてる方や、西表島でカヤック(カヌー)ツアーを考えてる方などには特に、どんなカヤックやカヌーの種類があるか、あらかじめ知っておくことによって乗りたいタイプのカヤック(カヌー)が明確になり、ツアー選びなどにも役立つと思いますので是非参考にご覧になってください。

カヤックとカヌーの違いについて

カヤックとカヌーの違いを説明をするにあたって正直とてもややこしくまた説明も難しいです。

そもそも(カヌー)という言葉はカヤックを含めた(パドルの先端、ブレードを使って漕ぐ小舟)の総称なので、カヤックもカヌーに当てはまります。

西表島でも一般的にカヌーと呼ぶことが多くツアー案内でもカヌーツアーと書いてあることが多いです。

ですのでまとめてカヤックのことをカヌーと言っても間違いではありません。とはいえ、全てをひとくくりにするには、種類や形状、使い用途などがあまりにも違うので細かく説明する必要があると思います。

現在スポーツやレジャーで使用されているカヌーを大きく分けると

◆カナディアンカヌー

◆カヤック

この二つにに分けられます。主な大きな違いは下記のように分かれます。

◆カナディアンカヌー
 オープンデッキ
 シングルブレードパドル

◆カヤック
 クローズドデッキ(オープンもある)
 ダブルブレードパドル

カヤックとカヌーの違いを説明する時に、パドルの違いやデッキの作りの違いなど、主にこの二つの違いで説明する場合が多いですが、あくまで現代社会において主流なアウトドアスポーツで分けているので、これだけの説明ではどこか物足りなさを感じてしまいます。

一概に正解とは言えないのでさらに掘り下げて行きますね。

カナディアン・カヌーとは?

そもそもカナディアン・カヌーとは本来、北米大陸のインディアンが狩猟や移動手段、荷物の運搬として用いていました。木をくりぬいたり、動物の骨や皮を使って作られた小舟です。材料は変わりましたがその形状は現代においてもほとんど変わらないと言われています。

カナディアン・カヌーは幅の広い川や、湖で使用されていることが多く、デッキ(座る場所)がオープンになっていて、荷物の積載能力が高く、道具を積んでのツーリングに便利で波やうねりがあまりないような穏やかな場所で漕ぐのに適しています。

水を漕ぐパドルは片方だけの、シングルブレードになっているのが特徴です。

ですのでカナディアンカヌーは大きな川などで発達してできた小舟と捉えても良いと思います。

カヤックとは?

カヤックは元々寒い地方の北方、カナダやアラスカ地方の民族イヌイット(エスキモー)などが冬に海に出てアザラシや、クジラなどを捕まえるために、考え出された狩猟を目的とした船と言われています。

パドルは両方にブレードがついていてダブルブレードパドルを使っています。
コクピットは下半身がすっぽり収まり、水が入ってこないように、自分の座る所意外は覆われているクローズドデッキになっています。

そのためひっくり返ってもそのまま起き上がるロールなど高い技術が当時からあったと言われています。

しかし現在では使い用途によって沢山の種類のカヤックが生まれました。

いくつかカヤックの種類をあげたいと思います。

カヤックにも沢山の種類がある?

カヤックには元々のルーツでもある海で使うカヤックや、激流の中を下って楽しめるリバーカヤックなど使い用途によって形状や特徴が大きく変わります。

いくつか種類を上げてみますね。

◆シーカヤック (海で使用主にクローズドデッキ)

◆リバーカヤック (操作性に優れ流れの速い川で使用できる)

◆シットオントップ(幅が広くオープンデッキになっている)

◆フィッシングカヤック(基本的にシットオンタイプと作りは一緒)

◆フォールディングカヤック(組み立て式で持ち運べる)

◆インフレータブルカヤック(パックラフトのように空気を入れて膨らませる)

ざっと上げてもこれだけの種類があります。

これだけ沢山あると混乱してしまうかもしれませんが、基本的に西表島でツアーに使われいるのは大きく分けて、クローズドデッキタイプのカヤックシットオントップタイプカヤックの二つに分かれるので主にこの二つに焦点を絞って説明します。

基本的にシーカヤック=クローズドデッキタイプと考えて良いかと思います。

シットンオンのメリット、デメリット

シットオントップタイプ

値段も比較的安く、ポリエチレン製で壊れにくいので扱いやすいです。船幅が広く安定しているので、カヤックが初めての方や、お子様などにもお勧めです。

主にレクリエーションカヤックとして使用されます。

デッキがオープンになっており、水面でも乗り降りが比較的楽です。クーラボックスを置いたり、荷物を足下などに起きやすいので、フィッシングカヤックにも使われています。

しかし万が一ひっくり返ってしまうと荷物が全て海に放り出されてしまいます。
また船の幅が広い分、推進力が悪く、長距離を漕ぐツーリングなどには不向きです。

また風に煽られやすく、ウネリがあるときや、荒れた海、外洋に出るのは危険です。

使い用途としては、穏やかな海や湖、汽水域などで、釣りやのんびり短い距離を漕ぐのには最適かもしれません。

シーカヤックの分類にされることもありますが、本格的な海のツーリングや外洋に出る島渡(アイランドホッピング)などには向きません。

クローズドデッキタイプのメリット、デメリット

クローズドデッキタイプ

クローズドデッキタイプのカヤックは主に組み立て式ではないリジットタイプが主流で素材はFRP、カーボン、ポリエチレンなどがあります。FRPやカーボンは軽く持ち運びも楽ですが値段も高価です。

また組み立て式のフォールディングタイプカヤック(ファルトボート)もあり、旅先などにカヤックを持ち運びたい方には便利です。

構造は船体内部に漕ぎ手の下半身がすっぽり収まる作りになっていて、コクピットの入り口のコーミングと呼ばれる箇所にスプレースカートと呼ばれているカバーをセッティングすることによってカヤック内に水が侵入することを防ぎます。

風や波の抵抗を抑えるために船幅が狭く作られていて、直進性を高めるために船の長さが4〜6mと大きくなっています。
そのため足でカヤックを楽に操作するためのラダーがついているカヤックが一般的です。

このことから外洋での航海、長距離のカヤックツーリングなどを安全に楽しむことができます。

また荷物を沢山収納できるハッチもついていてキャンプ道具なども詰め込む事が可能です。クローズドデッキタイプのカヤックがあればキャンプツーリングも夢ではありません。

しかし万が一、足のつかない場所で転覆(珍)した場合などセルフレスキュー(一人で最乗艇)が難しいため海などを漕ぐさいは、ツアーに参加するかまたはベテランの方と行くのが安心です。個人で漕ぐ場合は一度は基本的なカヤックのパドル操作や知識を学べる講習会やセルフレスキューの訓練に参加するのが良いかと思います。

カヤック、カヌーを歴史、ルーツで分けるなら?

カヌーの歴史は古く、なんと6000年も前から水上の移動や、狩猟に使われていたと言われています。

現在知られている最も古いカヌーは6000年前のユーフラテス川の河畔のシュメール人の王墓に残されています。

またエジプトから、中央アジア、東南アジア、オセアニアなど様々な地域から似たような手漕ぎの小型船が存在し、世界各地で独自に発達してきた歴史があるようです。

カヌーとカヤックを歴史的ルーツで分けるとすれば、北方の寒い地域、グリーンランドやカナダ北部、アラスカにかけての地域に住んでいる民族、イヌイットから生まれた手漕ぎの小舟をカヤックと考えます。

それ以外の地域で生まれた伝統船をカヌーと考えます。

エスキモーロールという言葉があるよにエスキモーと読んだりする場合もありますが、ここに関しては複雑なのでこの記事ではイヌイットと書きますね。

さらにイヌイットとカヤックの歴史について深く知りたい方は、

カヤックのこだわりに記載しておりますので是非ご覧ください。

現代社会においての主なジャンル分け

◆カナディアンカヌー
◆リバーカヤック
◆シーカヤック
◆競技用カヤック

元々は海で生まれたと言われているカヤックですが、現代においては、激流を下るために使用するリバーカヤックや流れの穏やかな大きな川などでツーリングを楽しむカナディアンカヌー、海などで楽しむシーカヤックといったジャンルに分かれていて、形状も大きく異なります。

主に海で使用するシーカヤックの方が元々のイヌイットたちのオリジナルカヤックによく似ていて、当時の技術の高さがうかがえます。

競技系においては現在のオリンピックの正式種目にもなっている急流で操作性を競う(スラローム)や流れのない場所でタイムを競う(スプリント)などがあります。

まとめ〜

いかがだったでしょうか?調べれば調べるほと複雑なカヤックとカヌーの違いですが、一概にデッキの形やパドルの違いだけで片付けてしまうのは、何か物足りないですよね。

今までの調べた結果を踏まえてまとめると

カヌーはパドルやオール使って人力で漕ぐ小舟の総称で、カヤックもカヌーに当てはまるが、カヤックには種類が沢山あり、歴史的にルーツをたどれば人力で漕ぐ小舟が生まれた地域によっても分類することができます主に欧米の北方の寒い地域、グリーンランドやカナダ北部、アラスカにかけての地域に住んでいる民族、イヌイットから生まれた手漕ぎの小舟をカヤック、それ以外の地域で生まれた伝統船をカヌーと考えます。)

やはり北方地方の民族イヌイットによって生み出されたカヤックには大きく魅力を感じます。Powder Reefではこの形や便利性にこだわりクローズドデッキタイプのカヤックを利用しています。

北方民族イヌイットによって生み出された、カヤックに乗りたい方は是非お問い合わせくださいね。

時間があれば日本や世界の小舟についてなどの深堀もできたらなぁと思います。また答えも変わるかもですね。

それではまた次回をお楽しみに〜。

Powder Reefの YouTube

Powder Reefでは西表島や沖縄の離島の魅力などを YouTubeの動画でも配信しております。是非チャンネル登録もよろしくお願い致します。