皆さんこんにちは。本日は冒険編カヤックで新城島に行ったブログを書きたいと思います。

アイランドホッピングは男のロマン!?

ついにカヤックで島渡りアイランドホッピングにチャレンジして参りました。カヤックの魅力としては、人力でパドルを漕ぎ、無人島や行きたい島プライベートビーチなど好きな場所へ気ままに行くことができます。中でもカヤックでアイランドホッピングをすることはロマンを駆り立てられ、まさに冒険やチャレンジといったジャンルに入るのではないでしょうか。

今回のコース
西表島、大原港から新城島

アイランドホッピングは危険がいっぱい?

ただ、魅力的な反面、危険も大きく付きまといます。現在数多くある西表島でのツアーでは穏やかなマングローブの汽水域リーフ内(礁池)湾内などが主なフィールドになりますが、西表島から鳩間島、新城島といった島から島へカヤックで渡るとなると、リーフを飛び出し、外洋を越えていかなければなりません。途中水路があったり高速船が往来する航路があったりもします。

アイランドホッピングの注意する点は?

以前、なにかのカヤック雑誌の記事の文面で、アイランドホッピングとはまるで宇宙船で地球から月に行くような物だと書いてありました。大袈裟に言えばまさにそうだなと思います。島から島へと行く間は途中立ち寄ったり、休める場所などはほとんどありませんし、体力が燃料だとすればそれが途中で尽きると大変なことになります。自分の限界、漕げる範囲というのを知っておかなければなりません。もちろん帰りの分も。

リーフ内や汽水域だから必ずしも安全という訳ではないですが、島渡はそのリスクが跳ね上がります。島から沖合にあたる外洋では遮る物もなく風の影響をもろに受けます。強風やうねりが行く手を阻むこともあるでしょう。そんな中、不意にチン(転覆)などしたらあっという間に流されていきますし、一人の場合はセルフレスキュー(再乗艇)ができなければそれこそ遭難騒ぎです。最悪命を落とすこともあります。
それを未然に防ぐ最善の手としては悪天候時または急な天候の変化悪天候に変わる予報の時は絶対に行かないということがまず第一でしょう。しかしどこまでなら安心して行くことができるか、見極めも必要になってきます。万が一に備えセルフレスキュー(ロール、一人での再乗艇、パドルフロートを使っての再乗艇)や複数人で行く場合のレスキュー訓練などを事前に行っておく必要があります。いざという時に確実にできなければなりません。穏やかな場所ではなく荒れた状況で。天気を読む力も含め装備なども、用意するもの、最低限やっておかなければならないことが沢山あります。

リスクと真剣に向き合うこととは?

それでも行きたいと思う気持ち、それこそが冒険心なのかもしれないですね。近年では遭難者となればまるで犯罪者の様に叩かれますが、大勢の人に大きな心配やご迷惑をかけることを考えるとそれは仕方のないことだと思います。それでも行ってみたいやってみたいと思う探究心、冒険心がなければ世の中つまらない物になってしまう。事故が起きないようリスクマネジメントをしっかり行い、自分のできる限り事故の可能性全力で向き合う。人それぞれ冒険には大小ありまが、大事なのは何をするにもその気持ちを持てるかどうかだと思います。それをお手伝いし安全な物にするのもまたガイドの仕事なのではないでしょうか。

前置きがかなり長くなってしまいましたが今回の島渡りについて書きたいと思います。

いざアイランドホッピングへ!

大原港
AM9:00

天気は晴れ、北東の風6メートル、波は1、5メートルうねりを伴う。
満潮(CM)6:52(170)/18:48(176)
干潮(CM)0:25(18)/12:41(45) 大潮

朝の9時ごろ大原港を出発。港から見た海は穏やかに見えました。
ここは仲間川遊覧船ボートや定期船が入ってくる港なので注意が必要です。

遠くに見える定期船

なるべく航路に入らないように進路をとります。高速船は注意が必要で遠くに見えていてもすごい勢いで近づいてきます。大きな船とは常に自分が、Tの字の下の部分の位置にいたいです。常に大型船の横の部分が見えていれば安心です。

穏やかに見えていても

仲間崎を越え大原港がだんだん遠くに見えてきました。すると左手には小浜島が見えてきます。今日は北東の風なので小浜島のほうから、どんどん風とうねりがやってきます。島からは穏やかに見えても、沖合に出ると実際はうねりや風がかなりありました。なれない外洋に恐れながらも新城島を目指していきます。

遠くに見える航路を示すポール

船や航路に注意を!!

新城島に入る場合どおしても航路を通過しなければなりません。基本的に船のルールでは定期船が優先で僕らは避けなければなりません。風とうねりのある状況下で物凄い勢いで定期船が近づいてくることを考えると、恐ろしくて仕方ありません。もろに引き波をうけると大変なことになります。定期船が通過する時間を調べ定期船がこない時間帯にお邪魔するのがベストでしょう。今回は行きも帰りもうまくかわすことができました。※ドリーム観光船のチャータ船、漁船、遊漁船などもあります。

新城島、上地、下地

定期船の航路上でもある難所を越えしばらくすると、新城島がぐんと近くなってきました、ウネリの中をグワングワン越えてきたので、ほっと一息、ようやく幸せな景色が見れそうです。

後ろに西表島
風下へ

新城島とは!?

上地島の端の風下でお昼休憩をしました。新城島はパナリ島とも与ばれていて、上地島は今は人口10人程度で下地島には一人(牛の管理人)しか住んでいないそうです。二つの島を合わせて新城島と呼んでいます。島の中には島民の方しか入ってはいけない場所や御嶽なんかがあり、カメラなどの撮影禁止場所があります。定期船は基本出ておらず、シュノーケルツアーなどに参加して来る方法などがありますが、基本的には必要以上に島内を歩き周るなどはしないほうがよさそうです。まぁ少しビーチや海にお邪魔するというような感覚でしょうか。
昔はジュゴンを捕獲してその肉を琉球王府に献上していたり、人魚伝説の話があったり、今でも豊年祭などのお祭りは秘祭と呼ばれ、島民または島出身の方、関係者などしか立ち入ることができないようで、この現代において日本にもまだこのような島があるというのは非常に興味深い所ではあります。

新城島でシュノーケル

亀とサンゴ

せっかくなのでシュノーケルポイントで潜ってみました。この日は透明度も高く、シュノーケルポイントだけあってサンゴも沢山ありきれいでした。シャコガイやヘビガイなど海の幸がまだ豊富にあるような気がしました。

シャコ貝

次来るときはもっとゆっくり色々潜ってみたいなと思います。

外洋

名残おしいですが、石垣発の定期船の時間に合わせて13時時ごろに出発しました。ちょうど定期船が通った後をゆっくり航路を通過することができました。帰りは少し穏やかになっていました。

大原港と仲間川

ゴールが近づいてきた!

大原港と仲間川が近づいてくるとなんとも言えない達成感と、安心感が生まれました。生きているという実感を噛み締めながら無事戻ってこれた喜びを感じ、よかった〜と本気で思いました。
片道8キロ弱往復16キロ片道1時間半から2時間程度の漕ぎになりました。途中の横風やうねりで流されることもなく安定して漕ぐことができました。
まぁこれが風速10メートル近くなるとかなりのうねりになり大変なことになると容易に想像ができました。今回は北東の風でしたが、これが南風になると今度はまたどのような影響がでるか気になる所です。ここも時間をかけてゆっくり調査が必要ですね。

ツアーとしては?

基本的にツアーとしてお客様を連れて行くことはないとは思いますが、もしそういった場合は条件がかなり厳しくなるかと思います。少なからずお客様の体力や能力を把握できないといけないですし、そのためには何度か通って頂いて顔を合わせなければなりません。今の私の能力では一組(2名)までが限界で、それでも安心してツアーを行うためには、常に電話一本ですぐ駆けつけてくれる、船が待機している状態でないと安心してできないという気持ちがありました。

アイランドホッピングをして気づいたこととは?

冒険家として行くのではあれば、全ては自己責任のもと刺激的で楽しいコースではあります。しかしツアーで、お客様の命を預かって行くととなると拭いきれない不安が残ります。これからさき私自身の経験値、能力をあげることによってそれをカバーできるかもしれませんが、自分自身が納得して行けるまではツアーになることはないでしょう。それは山でも、川でもすべてのツアーにも言えることです。すべてはお客様が絶対的な安心感のうえツアーに参加して頂くために。

少なからず少しでもそのキャパを広げガイドとしての懐を厚くするための活動を今は積極的に行って参りたいと思います。ガイドとして自然と向き合う者として、冒険心を残しつつ精進していきます。こんな長々とした文章を最後まで読んで頂ける方も少ないと思いますが、今の自分の気持ちとして理解して頂けたら幸いです。そしてまたこの思いも考え方も、少しづつ進化し更新して行くのだろうと思います。

長くなりましたが、このへんで。
次回はキャンプですかね〜まだまだしたいことも沢山あるので少しづつ挑戦してして行きますね。

ツアーではプライベートシーカヤックツアーもあるので是非チェックしてみてくださいね。

長距離を漕ぎたい方はナーラの滝ツアーもお勧めです。

それではまた次回をお楽しみに〜。